2007-01-08 01:00:00+09:00
聴 . mixi . rupert hine

『Waving Not Drowning』 Rupert Hine

mixiレビューから転載

Howard Jones、Tina Turner、FixxなどのProducerとして一時代を作ったRupert Hineの1982年のソロアルバム。この人はProducerといっても、作曲・アレンジ・録音にいたるまで大幅にコミットすることが多いタイプで、時としてタイトルのアーティストよりも存在感を発揮してしまうのだが、全てが自分色になるはずもなく(当たり前ですが…)、この人が好きになった人にはProduce作は若干欲求不満傾向。

で、ソロとなるわけだが、電子楽器やコンピュータ(といっても、この当時だからシーケンサとAtariくらいだったと記憶するが)を駆使、歌も自分で歌ってどっぶりとした煮詰まり感は、前作"Immunity"、自作"Wildest Wish to Fly"とともにこのあたりが最高潮だと思う。

ある種の閉塞感を感じる、というくらいパーソナルな雰囲気が漂うが、音楽的にはリズムから歌にいたるまで作りこまれていて、嘗てのエレクトロ・ポップ(Howard Jonesなんか、まあそうだけども)的な、この辺はいいや、的な安易なところは感じられない。

個人の顔立ちを伝える小ぶりの細密画のような音は、シンセ、サンプラーやコンピュータでさえ集団即興的に使いこなされる現代の音楽に慣れた耳からすると、若干縁遠く聞こえるかもしれないが、僕はいまだによく聴きかえす。これはもう趣味の範囲で、この人の音色の選び方やアンサンブルや音場の作り方、何より(録音で相当いじっていると思われるところもある)ボーカルが好きである。

Official Site で自ら活動の全貌をまとめています。