レビュー書いたので。
ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ
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](http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=2444430&id=11791)
4.82点 ( 23人中)
1999東芝EMIジェネシス
以前"Trespass"もレビューしたGenesis。
一般には「プログレ」というとKing Crimson、Yes、Pink Floyd…と続くようだけれど、僕にとっては、King Crimson、Yes、Genesisで、その後はまあいいか、という感じ。それも、Crimsonもある時期、Yesもある時期であるのと一緒で、Genesisもこの"The Lamb"まで。
しかし、このアルバムはそれ以前の作品からも大分隔つている。
Hypnosisのジャケットでもわかるようにこのアルバムも、"The dark side of the moonショック"の影響下にありそうだが、"Going for the one"のYesなんかと違って、相当に悪あがきしているというか、ただでは売れ線には走らないぞ、というような気概というか、往生際の悪さがうかがえる。
もちろんそうでなければいけないんだけどw
音楽的には、Phil Collinsのドラムを中心にして、よりアメリカの泥臭いリズムを取り入れたアプローチと、他メンバーの全然なりきれないカチカチした演奏とが奇妙にマッチして奏でるアンサンブルが変に気持ちよい、ということになるか。
まあ、Philのドラムも相当変ではあるが、でも、思うにこの変さは意識的なもので、RingoやBrufordにも共通するところがあって、僕はここから10年くらいのドラムだけは好きかなPhil Collins。
この"The Lamb"ツアーの動画が結構出ている。
Genesis - The Lamb Lies Down on Broadway - Live Bern 1975
断片的だし映像もあまりよくないけれど、このアルバムに関しては、もし興味を持ったらぜひCDでジャケット見て歌詞を読みながら聞いてください、ということでw
これがアルバムのオープニングなんだけど、僕は最初これの、キーボードのアルペジオから全員が入って演奏が始まるところでテンポが取れなかったw
その後もしばらくは違和感ありまくりで、聴きながら首を傾げたのを覚えている。そのくらい変なノリの演奏。しかしこれが慣れると気持ちいいんだw
全体も、音楽的に複雑な構成の曲があるわけではないけど(所詮組曲形式だし)、どうしてなかなか山あり谷あり、演劇的要素もふんだんに取り入れて聴かせてくれる。
Genesis - The Colony Of Slippermen - Live at the Shrine 1975
この動画の出だしなんて、音だけ聴いてると勿体ぶってなーにやってんだこいつら、って思うが動画だと実にわかりやすいw
他にもここからの興味深い動画はあるけど、さっぱりした(確か)シングルカットの曲にしとこう。
Complet Genesis Counting out time live Bern 1975
しかし、演奏は若干それっぽくなったとはいえ、当時でLP2枚組、ロック・オペラ、ストーリーにはバイブルやイギリスローカルの幻想文学とかの引用が山盛りと、ほとんど真面目に成功しようと思ってるようには見えないのだが?
おそらく、そういう過剰なこだわりのようなものは、Peter Gabrielだけが持っていたものなんだろうな。
で、彼の脱退後は、本体Genesisはあ~せいせいしたとばかりにヒットチャートへ、Gabrielのほうは1枚目こそ途方にくれた感じだったものの(いや、僕はいいアルバムだと思うし、大好きですが)、ためしに「洪水だ~!」と叫んでみたらほんとに洪水が来てしまい、さらに、めでたく元気に生き返って新時代にふさわしい鎧をまとった大英帝国の戦士として活躍、ということになるわけでした。
このアルバムのおもしろいところは、演奏のおもしろさもあるけれど、ストーリーに使われているイギリスの古い素材(といっても実はそんなに古くもなかったりするけどそれはそれ)、と、当時の現代社会の風景がうまく混じりあってよりファンタジックな世界を作り出しているというところもあると思う。もちろんそれが演奏のアンサンブルの奇妙さ、というのにも対応しているわけで。
通して聴くと若干だれるかなあと思うところもあるけど、なんども聴くと、いかにもきらびやかなポップなアレンジと録音が、徐々に色合い薄く初期の音のような感触に変わり、その後出てくる最初の曲の変奏がまるで違って聴こえるあたり、実は相当配慮してあるのではないかという気がする。
で、最後の"IT"がまるでお涙頂戴ミュージカルのカーテンコールのように響き渡るのも、泣き笑いっぽくてよろしいです。
というわけで、ためしにCD買って聴いてみてくだされなそこのお方(って誰?)w