Jim Gordonについては凄い人だという認識はあったものの、 他の好きなドラマーのように彼の名前を追いかけて聴いたことがない音源を 聴いてみるということはあまりしてこなかった。
"Layla"なんてもう何十年も通して聴いておらず、これからもそうすることがあるとも 思えないし、Beach Boysには何故かちゃんと嵌れてないし、Wrecking Crewな流れの 参加作だとHal BlainやJim Keltnerと一緒にクレジットされていたりして、 ちょっと追いかけにくいところがあったりしたせいか、ていうのも言い訳か。
というわけで、参加作を調べてリストを作ってみたら、 驚愕なものになってしまった。
我が洋楽リスナー史の開始は1972〜3年頃、その頃なら誰もが普通に耳にしていた であろうヒット曲に嵌ったが、その中でも、 年を経ても折に触れ聴き直し、未だになんでこんなにいいのかよくわからん、 と思える曲ばかりがあっという間に。
凄い人だから聴く側の好みや価値観でいろんな楽しみ方がされるのだろうが、 私の場合はこれらの曲をあらためてまとめて聴いてみて、 そうか、このゆったりめな8ビートやシャッフルでの絶妙なロコモーションが 離れられなくなる大きな原因の一つなんだと思いあたった。
その主がJim Gordonということになると、ほとんど彼によって最初に耳を 作られた私、といっても過言でない気がしてくる。
1曲目なんて出だしのドラムの短かいフィルだけで全部OKみたいなところあるし。
Sessionプレイヤーとして参加しているにもかかわらず、 酸いも甘いも噛み分けたなんでもござれの安定感というだけではなく、 必ず「え、そこ、そう来るの?」的な遊び的なパターンやフィルを、 曲を全然壊さずに主張するところも唸らせるところ。
リストにする過程で、そういえばいつか聴いてみないとと思いつつ今日まで 通して聴いていなかった作品も多数見つかり、またあらためて、 聴いてみたりしている。
R.I.P. Jim Gordon.