ツアーをやめた4人が、Abbey Road(後には他のスタジオも使ってるけど)をまるで自分たちだけの楽器のように使い倒しつつ怒濤の快進撃を始めた始まりは"Tomorrow Never Knows"。これが入った"Revolver"と、同時期録音のシングル"Paperback Writer/Rain"がレコーディングの歴史を変えたというくらいに革新的になり得たには、Abbey Roadの付属品(と、まあBeatlesのメンバーには思われていたんだろうということだけども)、EngineerのGeoff Emerickの貢献が欠かせなかったことは疑いない。
1966/04/06、"Tomorrow Never Knows"のセッションからコンソールの前に座ったEmerickが、もしこのとき、それこそ噴火の溶岩のように溢れ出すBeatlesの録音に対する要求に的確に答えて行かなかったら、彼らもその後レコーディングに対してあれほどの熱意を持続する事はなかったのではないかとさえ思える。
彼らの要求がいかに途方もなかったかは、Emerickが書いた『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』を読むとよくわかるのだけれど、同時に、それに対してEmerickが出して行った答えのいくつもが、その後のレコーディングのスタンダードになってるということに感激するし、なんとなく当時の彼とBeatlesの4人に共通する有様があるようにも思えたりする。
Beatlesの音楽が実にRockだなあと思える理由はなんだろう(それはつまりRockってなんなんだろう、という問いの答えでもあるはずなのだけども)、と、長年考えてるのだが、彼らが、その音に自由を宿らせるのに大いに貢献したのは、彼らの生意気さだったんではないか、とここ数年はよく思う。
とにかくとんでもなく生意気なんである。しかも、ただ言動が生意気なだけなのはありふれてるけど、その生意気さがちゃんと音になってるところが凄いと思う。才能のある生意気野郎なんて、絶対そばにいたら近寄りたくないと思うが、しかし、Emerickがやったのはそこに近寄って行く事で、どうも彼自身相当に生意気だったんではないかという節があるんだな。
まあ、その意味では、短い後にEmerickがぶち切れてEngineerを降りちゃう、なんてな結末になるのも納得というか。
Paulは、ずっとMotownのレコードを研究していて、どうしたら同じような重い低音のBassが録音できるか、考えていたらしいが、Emerickと組んでまず出した答えが"Paperback Writer"とこの曲のBass。演奏も素晴しいけど録音も素晴しいのねえ。
これをどうやったかというと、なんと低音のレスポンスを期待してマイクじゃなくて大きなスピーカーをマイクに使って(電気の流れが逆なだけなんです)アンプのスピーカーに密着させて録ったという。この辺がなんつーか、創意工夫、バイタリティだけでは出てこない、なかなかに生意気なところな気がする。当時のBeatlesなら、たとえばあいつらどうやってるんだろう?といった疑問があったら、いくらでも情報収集の手段はあったろうに(実際、George Martinも当時イギリスよりはるかに進んでたアメリカのスタジオやらなにやら熱心に視察している)、どうもそうした節がない。なんか、生意気なんだよなあw
彼らのレコーディングでは、実際そういうことが多くて、ある意味珍道中的。だけど、大きな熱意はもちろんだが、Emerickのようにそれを受け止めることができる人材あってこそで、そうでなければ、バカな思いつきの連続で終わってしまうだろうし、実際、だんだんとそういうことが多くなって熱意もしぼんでしまったというところかも知れない。
まあ、そんなお茶目な録音方式もこの後は使われなくなったようだが、この二曲の録音のBass、というのは、実際その後のPaulの音とは違うし、その後もいいんだけど、ほんとに特別捨てがたいものがある。この後は少しクリアになるんだよな。
この曲では、加えて速いテープに速く演奏して後で遅く再生する、って、これも目立たないけどアナログ・レコーディングで絶大な効果を発揮する技、それに、最後のJohnのボーカルの逆回転がある。コンプレッサーの使い方も、もう堂にいったものだし。
本の中でEmerickは「今ならデジタル技術でテープスピードを変える効果は簡単にできる」と書いてるけど、いや~、それは、ちょっと、耄碌したんじゃないすかEmerickさん、と思うが…。
それはともかく逆回転。
そもそもなんであらためてこの曲を思い出したかというと、Webで歌詞を見ていたら最後が、
"sdaeh rieht edih dna nur yeht semoc niar eht fI."
と、なってて「なんだこれ?」と思ったのがきっかけで、そういえば音源…、と探したらなんとiTunesに入ってなかった!アナログ盤の"Hey Jude"で聴いてたんだけど、CD買ってなくて、最近はYouTube動画を見ていたんですな。早速"Past Masters"注文しました、はい。
歌詞も逆回転で書かなくてもいいだろうと思うけど、そういえばTodd Rundgrenの"Faithful"でも、そんな風に歌詞が書いてあったっけな?
で、Toddといえば。
これは、前にAlan Parsonsも入れてやったBeatles Tributeの動画でしょうね。
BassはJohn Entwistle! ちらっと写りますが。 まあToddは、この曲好きに決まってるよねw
というわけで、Beatlesの曲の話を短くまとめて書くのは難しいんだけど、試してみた。 やっぱり長いかな?
本日は赤坂CrawFishのBeatles Jamに出かけるつもりです。 なんでもJohnの誕生日の後なんでJohnの曲を…、とか先月言ってた気がするな。
しかし、そういうイベント他にもいくつか見た気がするけど、Paulの誕生日だから…、ってのは見たことない気がするのはなぜ?結婚もしたのに!
で、またまたお知らせになりますが、僕が参加しているKing CrimsonのCoverバンド、ZaKSのライブが次の日曜にあります。詳細は以下の日記です。
10/16(日) ZaKSライブの告知です
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1782197003&owner_id=2444430
こちらのほうも、よろしかったら是非おいでくださいませ。