どんどん短く纏めづらくなってくるこの曲話。
"Tobacco Road"はEric Burdon始め、Spooky Tooth、The Blues Magoos、Jefferson Airplane, Johnny & Edgar Winter, David Lee Roth, Status Quo, Creation(日本のバンドね)からLiveでのZeppelinにいたるまで、Blues RockあるいはそれをベースにしたHard Rockバンドがたくさんやってる曲だし、進行もブルース式だからもともと黒人Bluesの曲かといえばさにあらず。
Nashville Teensってイギリスのバンドのヒット曲で、このバンドはBeatlesと同じようにHamburgに出稼ぎしてJerry Lee Lewisのバックをやったり、イギリスに戻るとCarl ParkinsやらChuck Berryやらのバックとか、結構ご活躍だったらしい。で、そのバンドに目をつけたのがかの商魂逞しきMickie Most(この人の趣味嫌いじゃないけどね)で、めでたく1964年に"Tobacco Road"がヒットした、と。
The Nashville Teens - Tobacco Road (1965)_HQ
なんでもスタジオ盤のギターはBig Jim SullivanとJimmy Pageだっつーハナシもあるらしいが、まあ、その他にも活動の裏にはAndrew OldhamやShel Talmyの名前も見え隠れし、なかなかにBeatlesでひっくり返ったイギリスポップレコード業界縮図的な印象が強い。しかし、専任ボーカルが二人いるんだね、Righteous Brothersみたいだ、てのは褒め過ぎかw
で、Eric Burdonなのかも知れないけど、多分これも曲のイメージを作った演奏ではないかというのがSpooky Tooth。
Spooky Tooth - Tobacco Road 1968
というわけで、黒人Bluesの人はほとんどやっていない、僕が知ってるのはどこまでも太っ腹な(もちろん音楽的にということ)Gatemouthがかなり後になって弾き語りでやってるのくらい。Blues家元制的発想からすればいわゆるなんちゃってブルースというか。一部変形的ではあるけれど、12小節のブルースに押し込める事もできちゃうし、まあ、フォーマットとしてのブルース進行とジャンルとしてのブルースの食い違い、用語の曖昧さというのは各所で見られるわけでして。
ただ、ブルース進行ってことなら、そもそも12小節の3コードってのも元々は"St.Louis Blues"の尾鰭(というかむしろそれも胴体の一部)の部分を取っ払っちゃって、わかりやすい最後の12小節の繰り返しだけを持ってきたものだし、他にも似たようなでき方で変形ブルース進行とか言われるものもあるから、まあなかなかすっきりともいかない。
古いアコースティックブルースでは小節数にすると割り切れないけどなんとなくIV-Iベースで最後にVが付いたりするようなのが多いし、"St.Louis Blues"の12小節(しかし、これはほんと20世紀音楽の大発明だと思うけど)も、作者のW.C.Handyが最適化して作り出したものと勘繰ることもできないわけではない。
まあ、その辺はしかし音楽史的な興味であって、要は現場で合わせる事ができればそれでいいわけで、あまり突っ込んでもしょうがないので置いといて。とりあえず、上に書いた「黒人Bluesの曲」というのを「Bluesは黒人のものなんだからそもそも黒人Bluesって言い方おかしいじゃん(そういえばWhite Bluesって言い方は確かあったな…)!」というような突っ込みには、そういう曖昧さの故という言い訳。
で、実際作者の演奏を聴いても「ブルース」と言われると「へ?」ってなりそうな演奏。
John D Loudermilk Tobacco Road 1960
後のライブ動画だとさらにはっきりしますが…。
Tobacco Road - John D. Loudermilk, BBC 1984
はい、具体的に説明はできないですが、みんな知ってるあの音楽なんですw この辺はまだ僕も説明できるものを持ち合わせてないんですが、要するにこういう人なんですな。
これは歌詞についてもいえて、4番まであって、1番、2番は手前生国と発しまするはTobacco Road、で普通なんだけど、3番では、ここを離れて金を稼いで、金持ちになってまたここに戻り、 4番ではその金にまかせてTobacco Roadを開発してすげー街をつくってやるぜい、という、なんともアメリカンなストーリーになっている。最初こそブルースによくある展開だけど、どんどんそぐわない世界に入って行くのだな。
ここまで見て来ると、そういえば"Tobacco Road"ってE.Caldwellの小説にあったじゃん、と、あらためて思い当たるわけで。この小説は戦後すぐ(あの)John Fordにより映画化もされていて、この曲ができた頃にはすでに"Tobacco Road"という単語は、何かしら固まったイメージを呼び起こすものであったのかも知れない。映画というメディアの連想で行くと、これは"Giant"(1956)の映画の中ではまるでぶつかり合うJames DeanとRock Hudsonを一つにまとめちゃったようなキャラに思えてくる。
なんとなく腑に落ちるような。
までも、なんなら2番まででヤメても良いしw 歌の世界だからな。
Eric BurdonはAnimalsではスローブルースのスタイルでやってるけど、Eric Burdon & Warでは、こんな感じに変えている。
Eric Burdon Declares War rare video 2!!!!
これも良い。Della Reeseという人のTVショウに出た時の録画らしいが、後半この人と歌の掛け合いをやったり、インタビューでの受け答えとかもなかなか面白い。
そう、Ericも"Bright Lights, Big City"をAnimals時代からやってます。ここでは、Jimmy Reedが聴いたら目を丸くしそうな激しいボーカルの掛け合い。で、"Mystery Train"アンプラグド。そういえば、この曲のポジションて、"Mystery Train"なんかに近いってことになるのかな。
僕が一番好きなこの曲の演奏はもちろんEdgar Winter Groupだけど、これはもう何回も貼ってるからやめよう。Spooky Toothってのも興味深いポジションのバンドだし、他にも、Rare Earthとか、Lou Rawls、あるいはJack McDuffとか、独特の活動をしてる人も取り上げてる曲でした。