海苔の話がある一方、 昆布と和布の養殖法を確立した大槻洋四郎という人も出てくるが、 これまた実に興味深い。
昆布といえば北海道利尻や日高を思い浮かべるが、 一方で沖縄の食文化に欠かせない要素として昆布がある、というのは、 日本史に時として現れる列島を大きく縦断する流通を予期させる出来事として これまた興味深いハナシではある。
沖縄に昆布がもたらされたのは十七世紀後半、とあるが、一方、 大槻による養殖法の確立は1930年代のことらしい。 ということは、それ以前の沖縄、 ひいては産地以外での昆布への意味づけも それ以後とは異なっている可能性がありそう。
もしそれ以前から誰でも何処でも昆布で出汁取ってたとしたら、 そりゃあ産地は儲かるだろうなというのはともかく。