2024-01-04 02:09:00+09:00

『「地球のからくり」に挑む 大河内直彦』

読書中であった

読書中であった。

「地球のからくり」に挑む 大河内直彦

以下抜き書き。

ハーバーほど強烈に、科学の光と影の二面性を併せもつ科学者は、 後にも先にも見当たらない。 おかげでハーバーの科学的な成果は、 長らく毒ガスの開発者および撤布者という影の側面とともに、 かなり控え目に評価されてきた。 しかし、地球の人口が増加することの善し悪しは別にして、 地球の人口が七〇億人を超えた現在の人類の繁栄は、 ハーバー・ボッシュ法を抜きにしてはありえない。 ニ一世紀の今、この方法を通して作られ世界の田畑に撒かれる窒素肥料は、 窒素量にして一億トンに達している。 おかげで、私たちの身体に含まれる窒素の三分の二が、 ハーバー・ボッシュ法に由来するものである。