- 『 オン・セックス: 鹿島茂対話集 』 鹿島茂
著者司会の対談、座談が九編と、エッセイ1編、著者へのインタビュー1篇から成るが、山村不二夫との対談、藤本由香里、酒井あゆみ、南智子、北原みのりとの座談の2編以外は、セックスに関する雑学(って基本的に駄目なんですよね僕は…)談義の域を出ない内容。
その2編も最高におもしろいというわけでもない、が、男である著者からして”目から鱗”の性技指導を行う「性の伝道師」山村の語る内容と、男な著者と女性4人との座談での内容とが、依然としてはっきりした対照を成しているというところが、なんというか微笑ましいような感じを与えるところが心に残った。
山村氏は、簡単に言えば、女性の性的快楽を最大限にするべく性技なるものを追求していくという立場であるらしく、それはそれで快楽に対して一定の効果を持つのかもしれない。しかし、セックス、というかエロスのありよう自体、そういう探求の先にあるものなのか、という疑問が起きてくる。女性陣との座談を読むとさらにその感が強くなり、やはり男と女というように二分割を行うとすれば、その性はまったく異なるもんなのかなあという気がしてくる。
しかし、性とは性幻想であり、性幻想の有様は社会的な影響が多大であると考えると、こういうのは趣味ではないなあ、と感じることがあっても、こういう人はいるんだろうなあ、と、思わされることはある。それをおもしろいと思うか、徒労感を覚えるかは、読者次第なのかなとも思う。