- 『 時間と自己 』 木村敏
かつて、患者でなくとも精神医学の書から多くを学べた時代があった。その好例の一書。自己という意識の成り立ちを、「もの」と「こと」という二つの概念から、とりあえずは「自己の自己性は二つの異なった私のあいだの同一」であるとし、かつては代表的な精神疾患だった鬱病、癲癇、精神分裂病の時間性を「ポスト・フェストゥム」「イントラ・フェストゥム」「アンテ・フェストゥム」と名づけて、臨床での証言を導きとして、時間性と自己像について哲学的な考察を行っている。 さいわいにしてまだ患者にならずに済んでいるが、既存の考察では何か腑に落ちないというようなところがある人は読んでみるとよいかも。
日記に補遺 があります。