2008-11-15 02:00:00+09:00
読 . mixi . agota kristof . 堀茂樹

『悪童日記』 Agota Kristof、堀茂樹

mixiレビューから転載

不思議な書物。三部作の一作めなのだが、これだけだと、いろんな意味でストレートな(「恋愛もの」ということでなく、ノースロップ・フライ的な意味で)ロマンスのように読めなくもないが、ひっかかりを感じて三部作全部を読むと、非常に現代的な小説意識を持って書かれているようにも読める。

だからといって、本作のロマンス的な要素である双子の言動の魅力が色あせるわけでもない。むしろ、双子およびその他の人物に、違った側面の広がりができることが、より作品の魅力を広げてくれる。

「ぼくら」を主語とした双子の日記という体裁(なぜ双子が主人公でなければならなかったのか?)、唐突ともいえる結末にひっかかりを感じたらぜひとも続編を。

個人的には、まだ登場人物が少なく、外界を眺め始めた赤ん坊が言葉を持っていたとしたら、かくや、と思えるような最初の十章あまりがとても気に入っている。

日記に補遺 があります。