2009-05-23 22:44:00+09:00
日記 . mixi

[低音の猛獣使い] Roccoの左手 ([転載]+)

mixi日記から転載 id=1175885577

昔のブログからの転載、加筆修正しながら。


Jazz Life誌の今月号(2004年後半)のベーシストのインタビュー特集、その中に、Tower Of PowerのFrancis "Rocco" Prestiaのものがあり、特長的な彼の左手が解説されていた。

僕がライブを観たときには、人差し指で押弦、中指を添えておそらく弾いた弦のミュートに使い、薬指と小指を他の弦を弾いたり補助的なミュートに使うのだろうと思っていた。知らない人のために少し付け加えると、彼はこのフォームのまま、弦上の左手を縦横無尽に滑らせて、左手の形をほとんど変えずにあの怒濤のFunk Bassを弾ききってしまうのだ。

眼が点になること請け合いなので、観たことがない人は是非ライブを観てください。

で、インタビューによると…、

実は、押弦に使っているのは、人差し指でなくて中指で人差し指はナット側に添えられているだけらしい(押さえてはいるみたいだが)。で、薬指と小指で上から、中指を浮かせる、さらに、右手のタッチ、などのミュートを使い分けるようだ。ちなみに、手持ちの彼自身の解説付きの教則本には「人差し指と中指で押さえ、音をダンプまたはミュートするために薬指と小指を使う」と書いてあって、人差し指「または」中指で押弦、薬指「または」小指でミュート、となんとなく読んでしまっていたのだが、2本で押さえて2本でミュートって意味だったのだな…。

目の前で彼が弾くのを見て、こんな変則なフォームだったら、真似したらRoccoになるしかないじゃん!と悟って、目論んでいたRocco化は断念したのだが、そういう身にしてみると、貴方のようになりたいベーシストにアドバイスを、と問われて「そんなやつがいるのか?なんてかわいそうな奴だ!」と答えていたのは、思わず苦笑してしまったのだった。

ただ、彼のスタイルや、JAZZのアコベの押弦を考えると、例えば異弦同フレのラインやポジション移動を楽にするために押弦の指を工夫するのは、特にJAZZや黒人音楽ベースの音楽には、無意味というよりむしろ有害なときがあるのではないかという僕の推測を裏付けてくれるものがあるように感じた。なぜなら、そういう音楽のベースラインでは、純粋なレガートは存在せず、弦を離して音を切るタイミングが非常に大事 - ベースラインは常に息を吐き出すだけでなく、呼吸してなくてはならない - のだ。

だから、弾きにくいフレーズであっても、(的確なタイミングで)音を切った後に、次の弦を弾く動作に移るのを基本にし、左手のフォームを決めて横着せずに左腕を動かすことに慣れた方がよいのではないだろうか。さらに、フレットレスの場合は、同フレットに複数の指を割り当てるとピッチの不安定性が増す危険性もある。

もちろん、ベースでなんでもやりたいとか、リズム主体の音楽を志向しない場合などはこの限りではなかろうが。

後は、練習するだけだ!…(左手より退場)


と、書いてこのときは終わったが、またあらためてyoutubeを検索してみると、こんな動画がある。

カチンコ

What is Hip - Bass Day 98

RoccoとDavid Garibaldiという黄金のリズム隊による"What is Hip!"。上モノがほとんどないのでベースが聴きやすいこと!しかもちゃんとプレベ持ってるし、後半の間奏でのリズム隊の盛り上がりがなかなかよろしい。

てのはともかく、しかし、これを観るとやっぱり押弦は人差し指に見えるなあ…。 もうちょっと分析が必要かも。

ただ、以前はこれを「変則」と書いたけれど、歴史的な経緯を考えれば、むしろこっちの方が正統なのかも、とも思うな。

Everybody on the Bus

http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=2444430&id=1221814

今はちょっと忘れたが全盛期のTower of Powerにはユーフォニウムだかバリトンサックスだか、ベースに被る楽器が入ってて(情けないですが何の楽器だかわからない…)リズムセクションが聞き取りにくいことがある。その点 Roccoのソロだとホーンが軽めなので、そういう向きにはいいかもな。

しかし、左手も独特ですが、右手のタッチもかなり軽めなようで、これがあの端正なトーンを産みだしているのでしょうが、これはこれで難しいよねえ。