2024-08-21 20:55:00+09:00

Rumelaj、Egrégora Mundana、UNICAMP

マケドニアのロマのフォークダンス曲?

歩いたことがない街を気分まかせに彷徨っていると、 思いもよらず知った界隈に出てしまう、ということがある。

ロマの音楽を漁るうちに、"Rumelaj"という曲に当った。

最初誰がやってるのかもわからなかったが、調べていくと「ルメライ」というフォークダンスに 使われる曲だということがわかった。 なので、実は有名で、それこそ世界中でいろんな人が演奏しているわけなのだった。

とある 日本のフォークダンスのページ によると、 マケドニア(Macedonian)のロマの踊り(Romani folk dance)の曲であるという。

なるほど確かにフォークダンスである。

「フォークダンス」というとどうやら必ずみんな輪になって手を繋いで踊ることになっているのだろうか? 別に手を繋がなくてもいいと思うのだが。 というのはさておき。

そんなわけで動画も色々あるのだが、その中で興味深く参考になるのがあった。

この動画の説明が有用なので翻訳を(一部編集)。

「Rumelaj」は謎めいた、楽しく踊れる曲で、バルカン半島が起源の文化的ハイブリッドです。 この曲は、特に伝統的な民族ダンスの国際コミュニティで人気が出て、 世界中の様々なグループによって再録音されました(ブラジルを含む)。 その起源と意味は議論が分かれており、マケドニア、ルーマニア、セルビア、ギリシャ、トルコに 関連するという話もあります。

私たちの研究では、最初の録音がリリースされた背景について参考にしました。 ハンガリーのグループ「Kalyi Jag」によって演奏されました。 グループの代表であるグスタヴ・ヴァルガは、ハンガリーのボヤシュ・ロマから古代ルーマニア語を学び、 その歌詞を教わったと述べています。 グスタヴの音声記録は元のテキストの意味を断片化してしまった可能性があり、 歌詞についてはさまざまな言語学的な観点から多くの解釈が存在します。 メロディについて、グスタヴは「バルカンの何らかの曲」から来ていると述べており、 ルーマニアを指している可能性があります。 メロディはギリシャやトルコに関連付けられることもあり、 Šaban Bajramovićの「Opa Cuba」と比較されることがあります。 なぜなら、そのリフレインが非常に似ているからです。 歌詞については、愛の歌、女性の結束を讃える合唱、 またはもっと「汚い」性的な意味合いとして解釈されることもあります。 興味深いのは、これらすべての可能性において、女性キャラクターが主人公として存在していることです。 それについて、私たちはこの曲には正確な意味が実際には存在しないと考えています。 私たちのボーカリストは、女性の力を讃える感情でこの曲を解釈しています。

Egrégora Mundanaは、ブラジルのグループで、Unicampで結成され、 さまざまな場所の音を実験し、研究し、再創造するとともに、外国のミュージシャンともパートナーシップを結んでいます。

というわけで、ここでKalyi Jagが登場した。 なるほど、伝統音楽として伝わっていたのを彼らがまとめてグローバルにした的なところがあるらしい。 「音声記録は元のテキストの意味を断片化してしまった可能性があり、 歌詞についてはさまざまな言語学的な観点から多くの解釈が存在」するとかいうのは、 実に興味深い(よくないといっているのではない)。

本邦でいえば赤い鳥の「竹田の子守唄」のようなことが起きたようにも思える。

歌詞は以下のようなもの( ここから )、

Zetur minji maj
mundra kurva me
Zetur minji maj mada
mundra da meri

Rume- Rume- Rumelaj
hojdi hojdi hojdi.
Rume- Rume- Rumelaj
hojdi hojdi hojdi.

それはともかく、ブラジルのグループがやっているというのも面白いが、このUnicampというのは、 大学らしい。

Unicampは、ブラジルのサンパウロ州カンピーナス市にある「カンピーナス州立大学」 (Universidade Estadual de Campinas)の略称です。 1966年に設立され、ブラジルの主要な研究大学の一つとして知られています。 理工学、人文科学、医学、生命科学など多岐にわたる学問分野で高い評価を受けており、 特に科学技術研究において国内外から高い評価を得ています。 また、多くの革新的な研究プロジェクトや教育プログラムを提供しており、 ブラジルの高等教育と研究の中心的役割を担っています。

なるほど、なかなか文化の薫り高い世界みたいだ。 このグループ自体にも興味が湧くな。

「Egrégora Mundanaのメンバーによって自宅で制作され、SESC CampinasとUNICAMPのAluno Artistaとのパートナーシップによる私たちのバーチャルプレゼンテーション用に作られ」たという、グループ紹介的動画。

演奏しているのChico ScienceとLúcio Maia queによる曲で、 "Angicos"というのは ブラジルの東部にある自治体 とのこと。

動画の数は少ないがどんな活動をしているのかしら、というところである。

これ以外にも、Kalyi Jagによるものを始めとして、いくつか動画がある。

我が耳には東欧、ギリシャ、トルコとかいうよりはむしろインドに聴こえるのだが…。

DADGADでやったらおもしろいかもしれない。