相変わらず体調はベストではないのだが、気分だけは数ヶ月ぶりにすかっと晴れたので川越に出た。
川越にはとんかつ和幸が二軒あるが、そのうちの一軒、丸広百貨店にあるほうへ。 とびきりというわけではないけれど、慣れ親しんだ味で落ちつく。
落ちつくといえばこの丸広百貨店、昭和の頃ならどの地方都市にもあったその地域独自の百貨店が 今も残っているというもので、これもなかなか素晴しい。
店内までまるで昭和で今の店のようにやたら装飾過多でなく、寂れてるかな?と思わせる寸前のところまで 簡素で、これがまた落ち着くわけである。
で、その地下街に、つくばに居た頃はさんざんお世話になったベーカリーのアンデルセンを見つけてしまった。
最近はその辺のスーパーもベーカリー併設は多いが、覗いてみると、いわゆるフランスパン、 バゲットやバタールの類の皮が柔らかくてパリッとしていないところが多い。
いや、そうじゃないんだよ、あの硬くてパリッとした皮のやつが好きなんだ、と思ううちに、 単に好きどころではなく、めちゃくちゃ好きだったというのを思い出してしまったのだった。
もちろん行動範囲でいえば成城石井とかヴィ・ド・フランスとかあるから、近くを通れば 手に入るのだが、アンデルセンがあるならここに来れば買えるじゃん。
夕方に近かったので売り切れてるかと思ったら、バゲットが一本だけ残ってた!
さっそく取ってレジに向うと、これがまた親切なことに半分で買うこともできるという。 そんな勿体ない、と思ったが売ってくれるんだからよかろうと、半分買う。
アンデルセン、青山にもあっててっきり「青山アンデルセン」なのかと思っていたが、 実は元は広島らしい。 青山アンデルセンはどうやらなくなった由。
川越も横田あたりのテリトリーなのか、よく軍用機が低空飛行していく。
夕暮れになって、ライトアップがあるという氷川神社や川越城本丸御殿あたりを徘徊。
氷川神社は七〜八年ぶりか。
川越城ははじめて。
竹と傘をあしらったライトアップである。
こういうところだと、いかにもこう撮ってくださいといわれているような写真になってしまう。
しかし、こういう写真を撮ってしまうと、自分の美意識はレンブラントなんかではなく、 昭和のTVの時代劇で培われたに違いないという気がしてくるな。
今夜は多少寒さが緩んだような気がした。
といってもそこまで長居もせず、返りにCHIMAYとちと奮発して瓶詰めの鴨のテリーヌを買い、 めでたくバゲットの硬くてパリッとした皮を堪能したのでした。
明日の行動予定だと写真を撮る機会はなさそうだが、なんか美味いものを喰おう。